厚生労働省から国民に対し、「日本人の食事摂取基準」として男女年齢毎に必要な栄養素とその望ましい摂取量が提示されています。
わが国の食事摂取基準は、厚生労働省が5年毎に見直しをしています。前回は平成16年11月22日に「日本人の食事摂取基準(2005年版)」として発表し、最新版は平成21年5月29日「 日本人の食事摂取基準(2010年版)」として厚生労働省健康局総務課生活習慣病対策室から公開されています。
日本人の食事摂取基準とは
- 日本人の食事摂取基準は、健康な個人または集団を対象として、国民の健康の維持・増進、生活習慣病の予防を目的とし、エネルギー及び各栄養素の摂取量の基準を示すものである。
- 保健所、保健センター、民間健康増進施設等において、生活習慣病予防のために実施される栄養指導、学校や事業所等の給食管理にあたって、最も基礎となる科学的データである。
「日本人の食事摂取基準(2010年版)」の主な概要をハイライトします。
- 日本人の食事摂取基準の目的は、「健康な個人または集団を対象として、国民の健康の維持・増進、生活習慣病の予防を目的とし、エネルギー及び各栄養素の摂取量の基準を示すものである。」とされています。この様に厚生労働省は、国民に生活習慣病の予防対策とし、医療費削減になるためかなり力を入れていることがうかがわれます。
- 使用期間は、平成22(2010)年度から平成26(2014)年度までの5年間です。
- ここでは特に、マグネシウムの食事摂取基準について述べます。
- 日本人の食事摂取基準(報告書) では、以下の基本的事項が初めて追記されました。
II 各論 1.エネルギー・栄養素 6 ミネラル 6.1.多量ミネラル
マグネシウム:p199〜200(PDF:379KB)
6. 1. 4.マグネシウム(Mg)
1.基本的事項
マグネシウムは骨の健康の維持と多種の酵素反応に寄与している。生体内には約25 g のマグネシウムが存在し、その50〜60% は骨に存在する110)。血清中のマグネシウム濃度は1. 8〜2. 3 mg/dL に維持されており111)、マグネシウムが欠乏すると腎臓からのマグネシウムの再吸収が亢進し、骨からマグネシウムが遊離し利用される。
マグネシウムの腸管からの吸収率は、平均摂取量が約300〜350 mg/日の場合は約30〜50% であり112)、摂取量が少ないと吸収率は上昇する。
マグネシウムの欠乏は低カルシウム血症、筋肉の痙れん、冠動脈のれん縮を引き起こす111)。また、長期にわたるマグネシウムの不足が、骨粗鬆症、心疾患、糖尿病のような生活習慣病のリスクを上昇させることが示唆されているが、一定の見解は得られていない110)。食事からの摂取で過剰症を引き起こすことはないが、サプリメント等からの過剰摂取により、下痢を起こすことがある。 - マグネシウムの食事摂取基準量
マグネシウムの食事摂取基準量は、平成元年(1989)の「第4次改訂栄養所要量」で初めて取り上げられ、目標摂取量300mg(例として、男性30〜49歳)とされました。
その後、マグネシウムの重要性が指摘されても国はなかなか認めず第6次改訂で、ようやく栄養所要量として320mgが策定され、平成16年(2005年版)に漸く推奨量として370mg(例として、男性30〜49歳)まで増量され、平成21年(2010年版)には370mg(例として、男性30〜49歳)が維持されています。
マグネシウムの食事摂取基準(mg/日) 「日本人の食事摂取基準(2010年版)」
| 性別 | 男性 | 女性 | ||||||
|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
| 年齢 | 推定平均必要量 | 推奨量 | 目安量 | 上限量1 | 推定平均必要量 | 推奨量 | 目安量 | 上限量1 |
| 0〜5(月) | - | - | 20 | - | - | - | 20 | - |
| 6〜11(月) | - | - | 60 | - | - | - | 60 | - |
| 1〜2(歳) | 60 | 70 | - | - | 60 | 70 | - | - |
| 3〜5(歳) | 80 | 100 | - | - | 80 | 100 | - | - |
| 6〜7(歳) | 110 | 130 | - | - | 110 | 130 | - | - |
| 8〜9(歳) | 140 | 170 | - | - | 140 | 160 | - | - |
| 10〜11(歳) | 180 | 210 | - | - | 170 | 210 | - | - |
| 12〜14(歳) | 240 | 290 | - | - | 230 | 280 | - | - |
| 15〜17(歳) | 290 | 350 | - | - | 250 | 300 | - | - |
| 18〜29(歳) | 280 | 340 | - | - | 230 | 270 | - | - |
| 30〜49(歳) | 310 | 370 | - | - | 240 | 290 | - | - |
| 50〜69(歳) | 290 | 350 | - | - | 240 | 290 | - | - |
| 70以上(歳) | 270 | 320 | - | - | 220 | 260 | - | - |
| 妊婦 (付加量) |
+30 | +40 | - | - | ||||
| 授乳婦 (付加量) |
+0 | +0 | - | - | ||||
1 通常の食品からの摂取の場合、上限量は設定しない。
通常の食品以外からの摂取量の上限量は、成人の場合350mg/日、小児では5mg/kg体重/日とする。
参考資料:
厚生労働省 報道発表資料
「日本人の食事摂取基準(2010年版)」
平成21年5月29日健康局総務課生活習慣病対策室
http://www.mhlw.go.jp/bunya/kenkou/sessyu-kijun.html








